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2017.01.06
【コラム】内藤忍氏/ 為替レートが海外投資の成果を左右する1年に

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明けましておめでとうございます。本年も、本コラムをどうぞよろしくお願いいたします。

新春ということで、2017年のマーケットに関する予想がメディアで出回っています。海外不動産投資に興味を持っている本コラムの読者の皆さまにとっては、その中でも特に為替相場の動きが最も気になるところだと思います。昨年は、イギリスのEU離脱に関する国民投票やアメリカ大統領選挙でのトランプ氏の勝利といった想定外の混乱要因から円高が予想されたにも関わらず、年後半は予想に反して為替市場はドル高に転じました。

年初に海外投資を始めた方は、一時為替差損で大きなマイナスになりましたが、年後半でその損失が小さくなったはずです。また英国国民投票の結果が発表された直後に、果敢にイギリス投資を始めた投資家は、その後の円安ポンド高で短期間に為替による大きなリターンを享受できました。

しかし、為替相場を予想することは極めて難しく、このように円高のタイミングを狙ってピンポイントで投資をするのはあまり賢明とは言えません。為替の変動によるリスクを小さくするためには、むしろタイミングを分散させる投資が最善の策だと考えています。

具体的には、海外不動産の購入を検討しているのであれば、購入する段になって慌てて円を現地通貨に換えるのではなく、計画的に事前に何回かに分けて外貨調達をしていくべきだということです。投資する国がまだはっきりしない場合でも、米ドルで投資資金を保有していくようにすれば、ドル円の変動による収益のブレを平均化することができます。

例えば20万ドル(2300万円)程度の投資を想定しているのであれば、5万ドルで4回に分けて、ドル買いのポジションをFX(為替証拠金取引)で構築しておく。もしドル高が進んでも、このポジションを現受すれば、ドル購入時のレートで外貨調達できることになります。

ドル円について言えば、2017年は2016年よりもさらにドル高のリスクが高まる可能性を頭に置いておくべきだと個人的には考えています。FRBの利上げやトランプ政権での国債増発懸念からドル高が先行しています。一方で、米国もこれ以上のドルの上昇を容認しないから、これ以上のドル高にはなりにくいというという意見もあります。

しかし、もしドル高円安が進んだ場合には、想定しているよりもかなり大幅な円安ドル高になる可能性があると思います。具体的には、前回の円安時に到達した1ドル=125円前後で上昇が止まらず、130円から135円程度まで円安になることも想定しておくべきでしょう。可能性は低いかもしれませんが、さらにそれを超える円安になってしまうと、日本人の円資産は実質的に大きく毀損し、海外投資をしたくても円ベースの価格上昇から投資対象が限られるようになってしまいます。

このような為替の展開になってから後悔してももう間に合わないのです。再び円高になるタイミングがあればそれを待っていることで再度チャンスを得ることができますが、その後さらに円安傾向が定着してしまえば、海外に資産を保有することは永遠に出来なくなってしまいます。

日本人の個人金融資産の95%は円資産に偏っています。このコラムを読んでいる投資家の皆さんはそれよりは外貨の保有比率が高いと思いますが、それでも円資産の比率の高い方が多いのではないでしょうか。

昨年の1ドル=100円前後の円高局面から比べると円安が進んだように見えますが、まだ15%程度に過ぎません。2017年の円安リスクに備える保険という意味を考えても、資産の中における外貨の比率を見直して、将来の為替変動に一喜一憂しないポートフォリオ構築を進めていくべきです。

本年もまた個人投資家の皆さまに有益な情報提供を心がけたいと思います。2017年も資産形成によって将来のお金の不安から解放されるライフスタイルを目指しましょう!

※本コラムは、マネックス証券の創業にも参加された、資産デザイン研究所代表取締役の内藤忍氏より寄稿頂いた原稿を基に構成しています。

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投稿更新日:2017年01月06日