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2017.06.19
【コラム】内藤忍氏/ 追い風に変わった新興国不動産投資

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新興国経済が安定した成長を続けています。1年前にはアメリカの利上げによって、海外の投資資金が新興国から引き上げられ、新興国経済は資金フローの観点から厳しい状況になるとの見方が強かったのですが、現実はその逆になっています。

確かに、アメリカの金融引き締めは始まったものの、そのペースは当初の予想よりも緩やかで、新興国の資金流出に対する影響もあまり見られません。アメリカの長期金利の上昇も想定より低く、マーケットの将来の金利上昇期待が低下してきていることを示しています。投資資金は新興国から流出するどころか、むしろ、成長機会を求めてASEAN諸国のような新興国に流れ込んできています。

新興国の株価指数は先進国や日本の株価インデックスを上回って上昇しており、アジア経済に対するマーケットの期待が反映されています。

東南アジア諸国の中でも、マレーシア、タイといった中進国よりも、成長率の高いフィリピン、ベトナム、カンボジアといった国の好調ぶりが目立ちます。これらの国では、不動産マーケットにも資金が流入しており、堅調な価格上昇が続いています。

例えば、フィリピンではコンドミニアムに関して、学生向けコンドミニアムなど海外投資家の人気物件は引き続き強い需要を保っています。また、大量の物件が販売されたことから一時的な供給過剰懸念がありましたが、経済の発展に伴い賃貸需要が増えてきており、供給懸念は薄らいできています。

ベトナムのホーチミンで販売された日系企業が開発するコンドミニアムは、最高価格が日本円で4000万円程度と高額な価格設定にも関わらず、現地の投資家の申し込みが殺到しました。日本を含む海外投資家の需要も相まって、高い競争率で即日完売が続いています。半年前の分譲価格より10%程度上昇しており、さらに価格上昇期待が高まっています。

カンボジアの首都プノンペンのボンケンコン1(BKK1)と呼ばれる中心部の不動産価格も、年間20%から30%の上昇と、高い賃貸需要を反映したマーケットになっています。コンドミニアムの価格も、4年前に私が購入した時と比べ50%以上上昇しているというのが実感です。

アメリカ以外の欧州や日本などの先進国では金融緩和が続き、低金利の継続によって行き場のない資金がリスクを求めて新興国の不動産市場にも戻ってきているように見えます。市場に溢れている資金は、新興国だけではなく仮想通貨のような投機性の高いマーケットにも流れ込んでいますが、新興国の不動産は経済成長という実態に裏打ちされた長期的に魅力的な投資対象です。

日本の個人投資家の資産運用の問題である、円資産に偏ったアセットアロケーションを修正するために組み入れる外貨資産として、新興国の不動産は検討に値するアセットクラスです。ただし、特に新興国の不動産投資においては、国内や先進国以上に購入後の管理が極めて重要になります。物件が完成してからのテナント付や物件のマネジメントについて、現地の信頼できる業者が存在することが投資の大前提です。

現地視察の際には、投資対象を視察したりモデルルームに行くだけではなく、購入後に管理を依頼する可能性のある管理会社も訪問すべきです。物件管理の実績、管理の方法、リーシングの需給の状況など情報収集をして、クオリティチェックを行っておきましょう。せっかくの良い物件もいい加減な管理では、宝の持ち腐れになってしまいます。

新興国の不動産投資では「何を買うか」と同じくらい「誰に管理してもらうか」が重要です。

※本コラムは、マネックス証券の創業にも参加された、資産デザイン研究所代表取締役の内藤忍氏より寄稿頂いた原稿を基に構成しています。


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投稿更新日:2017年06月19日