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フィリピンの住宅需要はなぜ拡大が期待される?人口・世帯・雇用から解説

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フィリピンの住宅市場を考えるうえで注目したいのが、今後も住宅を必要とする層が生まれ続ける人口構造です。人口の増加に加え、若い世代の厚さ、世帯数の増加、都市化、所得水準の上昇といった変化が、住宅需要を下支えしています。

若い世代が就職し、独立や結婚を機に新たな世帯をつくれば、そこには新しい住まいが必要になります。さらに、仕事を求めて都市へと人が移り、所得が伸びれば、賃貸住宅や持ち家を求める層も広がっていきます。こうした動きが重なっていることが、フィリピン住宅市場の大きな特徴です。

このページでは、人口構造や世帯数、都市化、雇用・所得などをもとに、なぜフィリピンでは中長期的な住宅需要の拡大が期待されているのかを解説します。そのうえで、こうした需要の変化がフィリピン不動産投資にどのような可能性をもたらすのかも考えていきます。

若い人口構造が住宅需要の土台になる

フィリピンの住宅市場を考えるうえで、大きな特徴のひとつが人口の若さです。現在の人口規模だけでなく、これから就職し、独立や結婚を迎える世代が多く控えていることは、中長期の住宅需要を支える重要な要素となります。

生産年齢人口が約3分の2を占める

フィリピン統計庁(PSA)によると、2024年の生産年齢人口(15~64歳)は約7,495万人で、世帯人口の66.7%を占めています。15歳未満も26.7%にのぼり、今後、働き手となる層も厚く控えています。

こうした人々が就職や結婚を機に親元を離れ、新たな世帯を形成すれば、それに伴って住まいも必要になります。まず賃貸住宅を利用し、その後に住宅購入へと進む人もいるため、住宅市場には新たな借り手・買い手が継続的に加わる余地があります。

PSAの人口推計では、2055年時点でも15~64歳が総人口の67.0%を占める見通しです。高齢化が徐々に進む中でも、働き手となる世代が人口の中心を占める構造は、今後も長く続くと予測されています。

不動産投資という視点では、足元の需要だけでなく、その先に住宅を必要とする層が控えていることに大きな意味があります。将来の借り手や買い手となり得る世代が厚いことは、フィリピン住宅市場を中長期で見るうえでの魅力のひとつです。

フィリピンの年齢構成

人口ボーナス期が長く続くフィリピン

フィリピンの若い人口構造を考えるうえで、もうひとつ注目したいのが「人口ボーナス」の長さです。JETROによると、フィリピンの人口ボーナス期は2062年ごろまで続く見通しとなっています。

人口ボーナスとは、生産年齢人口(15〜64歳)が、それ以外の人口の2倍以上を占めている状態を指します。この時期は、豊富な労働力によって消費が活発になる一方、高齢者の割合が相対的に小さいため社会保障の負担も抑えられ、経済が飛躍的に成長しやすいのが特徴です。

住宅市場にとっても、この人口ボーナスの「長さ」には大きな意味があります。働く世代が厚い状態が続き、雇用や所得が拡大していけば、新たな世帯形成や住宅取得を支える力になるからです。

こうした人口構造がフィリピン経済や都市の成長にどのようにつながっているのかについては、「フィリピンは今後も成長する?経済・人口・都市化から将来性を読み解く」で詳しく解説しています。

主要東南アジア5ヵ国の人口ボーナス終了時期見通し(出所:JETRO)

国名 人口ボーナスの終了時期見通し
フィリピン 2062年頃に終了
タイ 2031年頃に終了
マレーシア 2050年頃に終了
ベトナム 2041年頃に終了
インドネシア 2044年頃に終了

世帯数の増加と小規模化が住宅需要を押し上げる

フィリピンでは、人口の増加と並行して世帯数も大きく伸びています。フィリピン統計庁(PSA)によると、2010年の約2,017万世帯から2024年には約2,967万世帯へと増加しました。

世帯数が急増している背景には、人口の増加だけでなく、「大家族」から「核家族」や「単身世帯」へのシフトが進んでいることがあります。PSAによると、1世帯あたりの平均人数は2010年の4.6人から、2024年には3.8人へと縮小しました。

世帯数が増えれば、たとえ人口規模が同じでも、必要となる住宅の戸数は多くなります。そのため、不動産投資においては、人口の増加だけでなく、世帯数の増加もあわせて見ることが重要です。

その点、フィリピンでは人口の増加と世帯の小規模化が同時に進んでいます。この2つが重なることで、必要とされる住宅戸数は増えやすく、賃貸・購入の双方で住宅需要の裾野が広がっていくと考えられます。

フィリピンの世帯数と平均世帯人数の推移

都市化の進展で賃貸需要が主要都市に集まる

フィリピンでは、人口の増加と並んで都市化も進んでいます。フィリピン統計庁(PSA)によると、都市部で暮らす人の割合は2015年の51.2%から、2024年には55.2%へと上昇しました。2024年の都市人口は約6,222万人に達しています。

企業や商業施設、学校、医療機関などが集まる都市部には、仕事や進学のために地方から人が移り住みます。それに伴って住まいへの需要も集中し、若年層や単身者を中心に賃貸住宅を必要とする層が広がっていきます。

増加する人口が雇用や生活機能の集まる都市部へと向かっていることは、賃貸住宅市場にとっては大きな追い風です。人の流入が続くエリアほど入居希望者の層も厚くなりやすく、安定した賃貸需要を期待しやすい環境が生まれます。

実際にどの都市・エリアに人口や雇用が集まっているのかについては、「フィリピン不動産投資 エリア完全ガイド」でも詳しく解説しています。

住宅需要が生まれる流れの図解

雇用と所得の拡大が住宅購入・賃貸を後押しする

若い労働力が豊富なフィリピンでは、マニラ首都圏やセブなどを中心に、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)をはじめとするサービス産業の雇用が集積しています。こうした都市型雇用の広がりは、人口や世帯の増加を実際の賃貸・住宅購入へと結びつける重要な土台です。

安定した給与を得る人が増えれば、住まいにかけられる金額にも余裕が生まれます。さらに、所得水準が上がるにつれて、価格だけでなく、通勤の利便性やセキュリティ、共用施設、住戸の広さなど、住まい選びで重視される条件も変わっていきます。

こうした変化は、都市部のコンドミニアム市場にとっても追い風です。単に「住む場所」を確保するだけでなく、立地や設備、住環境を重視し、より良い住宅を選ぶ層が厚くなれば、付加価値の高い物件にも需要が広がります。

だからこそ物件を選ぶ際は、人口規模だけでなく、そのエリアにどのような雇用が集まり、そこで働く人がどの程度の家賃を負担できるのかまで見ておきたいところです。たとえ同じマニラ首都圏内であっても、雇用の集積や所得水準の違いによって、賃貸需要の強さにはエリアごとに差があります。

OFWからの送金が住宅購入を支える

フィリピンの住宅需要を支えているのは、国内で得られる所得だけではありません。海外で働くフィリピン人(OFW)などから家族へと送られる資金も、国内の消費や住宅購入を支える大きな存在です。

フィリピン中央銀行(BSP)によると、2025年の海外フィリピン人からの個人送金額は約396億ドル(約6.2兆円)に達しました。こうした資金は日々の生活費や教育費などに使われる一方、その一部は住宅の購入にも向かっています。

特に近年は、海外で得た所得を使ってフィリピン国内に住宅を購入し、家族を住まわせるケースも増えています。家族の生活基盤を支えながら、自身にとっては不動産という資産を持てるためです。OFW向けの住宅ローンなども用意されており、海外で得た所得が国内の住宅市場に還流する経路のひとつとなっています。

このようにフィリピンでは、海外就労者本人の将来の住まいや、国内で暮らす家族の住宅取得を通じて、海外で得た所得も住宅市場に流れ込んでいます。国内所得だけでは捉えきれない購買力が存在することは、フィリピン住宅市場の大きな特徴です。

住宅需要が伸びても物件ごとに需要の強さは異なる

ここまで見てきたように、フィリピンでは人口増加や世帯数の拡大、都市化、雇用・所得の伸び、海外からの送金など、住宅需要を支える要素が重なっています。ただし、その需要がすべての地域や物件に同じように向かうわけではありません。

たとえば住宅を必要とする人が多くても、求められている価格帯や間取りと供給される物件が合っていなければ、十分な需要を取り込めません。高級コンドミニアムの供給が増える一方で、実際にはより手頃な住宅を求める層が多いといったミスマッチもしばしば起こります。

フィリピン不動産を見る際は、「人口が増えている」「住宅需要が伸びている」といった大きな流れだけで判断するのではなく、誰がその物件に住むのか、どの程度の家賃を負担できるのか、周辺に競合物件がどれだけあるのかまで確認することが大切です。

住宅需要が拡大している市場だからこそ、その需要が実際に向かうエリアや価格帯、物件タイプを見極めることが、投資成果を左右します。

まとめ|人口と購買力が支えるフィリピンの住宅需要

フィリピンでは、若い人口構造に加え、世帯数の増加や都市化が進み、住宅を必要とする層そのものが広がっています。一方、都市部を中心とした雇用・所得の拡大や、海外フィリピン人からの送金は、その需要を実際の賃貸や住宅購入へとつなげる購買力を支えています。

住宅を必要とする人が増えるだけでなく、それを支える所得や資金も厚みを増していることは、フィリピン住宅市場を中長期で見るうえで大きな強みです。こうした複数の要因が重なっていることが、フィリピン不動産に今後も注目したい理由のひとつといえるでしょう。

では、こうした住宅需要の拡大は、実際の住宅価格にどのような影響を与えるのでしょうか。次のページでは、需要と供給、所得、金利、建築コストなどから、フィリピンの住宅価格の推移と価格を動かす要因について詳しく解説します。

よくある質問(FAQ)

Q1.住宅需要が増えればコンドミニアム価格も上昇しますか?

必ずしも上昇するとは限りません。住宅需要は価格を支える要因のひとつですが、供給量や所得水準、金利、建築コストなどにも左右されます。需要が強くても、供給がそれを上回れば価格が伸びにくいこともあります。

Q2.住宅不足でもコンドミニアムが供給過多になることはありますか?

あります。住宅市場全体では不足していても、求められている価格帯と供給される物件が一致しているとは限らないためです。手頃な住宅が不足する一方で、高価格帯のコンドミニアムが余るといった状況も起こり得ます。

Q3.フィリピンではどのような人がコンドミニアムの主な入居者になりますか?

立地や価格帯によって異なりますが、マニラ首都圏の場合、都市部で働く会社員やBPO従事者、専門職、若いカップル、外国人駐在員などが主な入居者層です。物件を選ぶ際は、誰に貸すのかを具体的に想定することが欠かせません。

Q4.フィリピンで住宅需要が強いのはマニラ首都圏だけですか?

マニラ首都圏だけではありません。セブやダバオなどの地方の主要都市でも、人口や雇用の集積を背景に住宅需要が生まれています。ただし、家賃水準や入居者層、住宅供給の状況には、都市・エリアごとに差があります。

Q5.コンドミニアム需要はフィリピン人と外国人のどちらが中心ですか?

市場全体では、現地のフィリピン人や海外で働くフィリピン人(OFW)など、フィリピン人による需要が中心です。一方、マカティやBGCなどの高級住宅エリアでは、外国人駐在員や海外投資家も重要な買い手・借り手となります。

そのため、物件を選ぶ際は「フィリピン人向けか、外国人向けか」と大きく分けるのではなく、そのエリアや価格帯で、実際にどの層が購入・賃借しているのかを見ることが重要です。

フィリピン不動産のエリア・物件選びはフォーランドへ

フィリピンでは住宅需要の拡大が期待される一方、その強さはエリアや価格帯、物件によって異なります。投資先を選ぶ際は、市場全体の成長性だけでなく、どのような入居者を想定し、どの需要を取り込む物件なのかを見極めることが大切です。

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