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2020.06.23
20年5月の米中古住宅販売は9.7%減の391万戸、9年半ぶり低水準

全米不動産協会(NAR)によると、2020年5月の中古住宅販売件数(季節調整済・年率換算)は、前月比9.7%減の391万戸となった。減少は3ヵ月連続で、2010年10月以来9年7ヵ月ぶりの低水準を記録した。

同指標は契約してから取引が最終的に成立した件数を示すものであり、契約から取引成立には数ヵ月かかるため、5月のデータは新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う外出規制の影響が大きかった3月と4月に締結した契約が中心と見られている。

詳細を見ると、北東部が13%減、西部が11.1%減、中西部が10%減、南部が8%減と、全4地域で減少。NARによると、多くの企業が在宅勤務の導入など、柔軟な勤務体制にシフトする中、住宅需要は郊外の一戸建て住宅に偏る傾向があったという。

一方、住宅在庫は前年同月比18.8%減の155万戸と大幅に減少。需要が低迷したものの、供給はそれ以上に減少したことから、販売価格(中央値)は前年同月比2.3%上昇し、28万4,600ドル(約3,050万円)となった。

その他、5月の販売実績に基づく在庫の消化期間は4.8ヶ月と、昨年5月の4.3ヶ月から拡大。ただ、健全な需給バランスとされる6~7ヶ月は引き続き下回った。また、物件が市場に出回ってから販売されるまでにかかった日数は26日と、4月の27日から小幅に短縮した。

なお、減少幅は4月より縮小していることなどから、NARは「この数ヵ月、住宅業界は厳しい環境にあったが、改善や成長の兆しが見られ、最悪期は脱したとみている」とコメントしている。

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投稿更新日:2020年06月23日