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2016.05.25
【コラム】イスカンダル計画とは 〜注目を集めるジョホール州の都市計画

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世界中の投資家が注目するイスカンダル計画

マレーシアで2006年から開始されている「イスカンダル計画」をご存じでしょうか。イスカンダル計画とは、マレーシア政府およびジョホール州政府が経済開発戦略として行うビッグプロジェクトであり、2006年から2025年までの20年間をかけて、投資総額10兆円超、計画人口300万人の大都市をジョホール州に建設する計画です。

計画では、シンガポールの国土の3倍に当たる広大な地域にA~Eの5つの地区が設けられ、それぞれ役割が与えられています。

行政や金融といったイスカンダル地域の本部機能(A地区)、商業・産業・教育や医療に力を入れるイスカンダル・プテリ(B地区)、タンジュン・ペレパス港を中心とした物流拠点(C地区)、タンジュン・ランサットやパシルグダン工業団地(D地区)、ハイテク分野を中心とするスナイ空港周辺地域(E地区)。こうした開発により、およそ143万人の雇用が見込まれています。

この5つの地区全体では、特に9つの産業に力を入れています。それは、金融・観光・教育・物流・医療・クリエイティブサービス・電気と電子・油脂や石油化学・食品と農産物加工です。これらの投資の誘致を進めた結果、計画第一段階となる2006年~2010年における目標投資額470億リンギ(約1.2兆円)に対して694.8億リンギ(約1.8兆円)集まるなど、好調なスタートとなっています。海外からも投資が行われ、注目を浴びる一大計画なのです。

マレーシア不動産 イスカンダル計画 イメージ図

壮大なイスカンダル計画、もちろんリスクも

投資総額10兆円超の壮大な計画となるイスカンダル計画ですが、投資を検討するにあたってはもちろんリスクも押さえておく必要があります。

現在、ジョホール州ではオフィスビルやコンドミニアムなどの建設が数多く進行していますが、その多くが2020年頃までの完成を予定しています。計画も後半戦に突入する中、企業誘致の交渉は順調に進んでいるものの、短期的には物件供給のスピードの方が勝ることが予想され、需給のバランスが一時的に崩れる可能性があると考えられます。そのため、売却時の譲渡益税(5年以内の売却の場合30%、6年目以降は5%)のことも踏まえて、5年、10年とある程度の期間を見据えた投資として考えておく必要があるでしょう。

また、イスカンダル計画としては順調に進捗しているものの、個別のプロジェクトでは完成が遅延する可能性はありますし、最悪の場合、プロジェクトが途中で頓挫してしまう可能性も少なからずあるでしょう。こうしたリスクに対処するためには、豊富な開発実績を誇り、経営面・財務面も安定している大手デベロッパーの物件を選定していくことが重要と言えます。

シンガポールとの相互補完的な経済関係を構築

イスカンダル計画が進行することで、マレーシア・ジョホール州を中心とするイスカンダル地域と隣国シンガポールの結びつきはますます強くなっていくことが予想されています。

例えば、シンガポール経済開発庁はシンガポール国内に拠点をおく外資系企業に対して、イスカンダル地域を利用することを推奨しており、域内統括拠点などはシンガポール、地価や人件費の高騰などを背景に事業環境が厳しくなっている製造業などはジョホール州といったように、2国間にまたがる事業展開の推進を図っています。

また、交通面でも両国の“距離”はこれまで以上に近いものとなります。2015年7月には、ジョホールバルとシンガポール北部のウッドランド間でシャトル電車が開通。2020年以降にはシンガポールとジョホールバルを結ぶ高速輸送システム(RTS)、2022年には首都クアラルンプールからジョホール州などを経由し、シンガポールへと繋がる高速鉄道(HSR)の開業がそれぞれ予定されています。

こうした関係は、香港と中国(深セン)の関係によく似ています。香港と深センでは以前は大きな格差がありましたが、現在では深センにも発展の恩恵があり、香港からの移住者も増えて不動産価格も軒並み上昇してきました。香港と深センのように、シンガポールとジョホールバルにも相互補完的な経済関係が築かれることで、ジョホール州の不動産価格の上昇も期待できるものと考えられます。

現在のジョホール州の不動産価格を見てみると、シンガポールと比較して5分の1から10分の1の価格で購入できることもあり、まだまだ割安といえます。香港の不動産価格と比べると、深センではおよそ3分の1です。こうしてみると、ジョホール州への不動産投資は妙味がありそうです。価格差がある今が投資のチャンスといえるのではないでしょうか。

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投稿更新日:2016年05月25日