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2016.07.15
【コラム】内藤忍氏/ 2016年は海外不動産投資の「チャンス」かもしれない

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海外不動産投資に関するセミナーを開催する機会が増えていますが、いつも伝えていることは、「掛け算で考えること」です。日本人が円で投資をする場合、為替の変動と現地の価格変動の2つの掛け算によって投資の成果は大きく変わってくるということです。

為替が円安になり、現地価格が上昇すればダブルでメリットを享受できます。逆に円高と現地価格の下落が重なれば大きなマイナスになってしまいます。

2016年に入ってから、アベノミクスによって数年間続いてきた円安が逆回転をはじめ、米ドルは円に対して2割近く下落しました。英ポンドに至っては最高値から3割の下落となっています。今回の世界経済の混乱で投資家はピンチに陥っていますが、これから外貨投資を始める人にとっては「チャンス」と捉えることもできます。

確かに為替は、ドル円にもまだ一段の円高のリスクが残っています。また、新興国に投資する場合、現地通貨の米ドルに対する下落リスクもあります。しかし、新興国の成長率は高いところでは7%を超えています。現地の経済成長による不動産価格へのプラスの影響を考慮すれば、リスクとリターンからは長期の投資対象として悪くないタイミングです。

新興国には、経済成長、人口増加、インフラ整備という不動産の価値を高める3点セットが揃っているのです。先進国に比べれば、政治リスクや経済の不安定さなどのマイナス要因もありますが、成長によってそのリスクはかなり吸収されるのです。

例えば、5年の投資スパンで考えれば、5年後に仮に今より20%円高になっていたとしても、現地価格が20%上昇していれば、円ベースの価格は変わらず、インカム収入はプラスという計算も成り立ちます。

良いことばかり書いてきましたが、新興国の不動産投資は、国内とは違った不確定要因も多く、ハイリスク・ハイリターンの投資です。リスクを自己責任で取ることの出来る人がチャレンジすべき投資対象です。

では、現在の1ドル=100円前後の円高水準が、5年後にどうなっているか。もし今後再び円安のリスクを想定するなら、今の円高の局面は、日本の個人投資家が資産を外貨にシフトさせるチャンスになります。

市場はイギリスのEU離脱といった目先のニュースに過敏に反応しますが、その先にあるもっと深刻な世界経済の根本問題としては、先進国の急速な高齢化があります。その中でも、日本の高齢化は世界で最も早いスピードで進みます。総人口に占める高齢者の割合は現状でも26.7%。2030年には65歳以上人口は31.5%に達するという予想です。人口ピラミッドの変化によって、産業構造やライフタイルが大きく変わっていくことは確実です。

先進国の高齢化問題は経済の成長率を押し下げ、政府の財政赤字の増大をもたらします。日本の財政状態は対GDP比で見れば、先進国中最悪の状態で、財政赤字が縮小する兆しはありません。歳入は増えず、歳出だけが増大していく中で、唯一の解決方法はインフレということにならざるをえません。それは円安をもたらし、海外不動産にプラスのリターンをもたらします。

老後に向けて長期の資産形成をしているような人は、先週のイギリスの問題よりも、このような日本の長期的な課題に目を向けるべきです。そこから逆算してどんな投資戦略を取るべきかの方が、資産運用の成果を決める重要な要素になるはずです。

10年後の2026年に10年前を振り返った時、もしかしたら海外投資をする絶好のタイミングだったと思うかもしれません。

※本コラムは、マネックス証券の創業にも参加された、資産デザイン研究所代表取締役の内藤忍氏より寄稿頂いた原稿を基に構成しています。

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投稿更新日:2016年07月15日