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2016.11.04
【コラム】内藤忍氏/ ドゥテルテ新比大統領の「等距離外交」

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ドゥテルテ新大統領の外交政策がフィリピンの将来のリスクになる可能性について、私はどうやら見立てを少し修正する必要があると考えています。

ドゥテルテ大統領は10月下旬に中国を訪問し、その後続けて今度は日本を訪問。来日時には安倍首相と会談しています。中国訪問時には「アメリカと決別する」と過激な発言をした大統領でしたが、日本では一転して米国を含む同盟関係について引き続き維持していくと表明しました。

このように発言が次々と変化していく大統領に対して「思いつき」「その場主義」といった批判もあるようですが、一連の訪問を終えてみると、米国との関係悪化という悪材料はあったものの、フィリピンには中国、日本の両国から経済的なサポートが行われることになりました。

そして、報道によれば10月下旬の訪中後、南シナ海でフィリピンが領有権を巡って対立していたスカボロー礁から、中国船が姿を消したそうです。この地域は、中国が実質的に支配し、フィリピンの漁船が操業できない状態が続いていました。中国訪問時の習近平主席との会談で領土問題について平和的に解決するという合意を取り付けたことがその背景にあると考えられます。

一連の外交日程には混乱はあったものの、終わってみればフィリピンに大きな外交成果をもたらしたのが、今回のドゥテルテ大統領の中国と日本への訪問という結果になりました。

フィリピンに投資をしていることもあって、中国への接近は、政治的な不安定をもたらすリスクがあると懸念していたのですが、最悪の状態にはならなそうです。どこに真意があるのかわかりにくく「ブレている」と批判されるドゥトルテ大統領の発言は、実は高度な外交能力であるかのようにさえ見えてきました。日米中という経済的な大国を相手に言質を取られないようにしながら、巧みに経済援助や協力関係を取り付けていくしたたかな戦略です。

ドゥテルテ大統領は、フィリピン国内での厳しい犯罪取り締まりに対する人権団体からの抗議や批判に対しても、柔軟に対応する姿勢を示し始めました。勝手な思い込みで過激な行動や発言に出るのではなく、周囲の状況を丁寧に把握し、意図的にブレた発言で自分の思い通りの政策を実現していく新しい政治手法を感じさせます。

フィリピンのしたたかな外交戦略を見習って、東南アジアの別の国々も同じような行動を始める可能性があります。アジアにおける日米と中国の勢力争いを上手に使って、双方からのサポートを引き出そうという「等距離外交」です。

カンボジア、タイ、マレーシア、といった国でも日本と中国の経済協力の競争が進んでいます。領土問題で対立し、中国とは最も距離があるとベトナムでさえも中国との関係を修復していくことで、日本へのけん制を行う可能性があります。

政治リスクへの懸念が一段落すれば、次の注目点は経済情勢ですが、フィリピンの国内経済は、6%を超える経済成長を続けており相変わらず好調です。治安問題がさらに改善し、経済発展が続けば、大統領への圧倒的な支持は今後も続く可能性が高いと考えられます。

また、経常収支が黒字で世界経済の影響を受けにくく、人口が1億人を突破して理想的な人口ピラミッドになっている点も他のアジア新興国には無い強みです。
そして、1人あたりのGDPが3000ドル前後とこれから大きな国内消費の伸びが期待できる成長ステージにあることも成長の持続の可能性を高めます。経済のファンダメンタルズはアジア新興国の中ではトップクラスと言えるのです。

懸念された政治リスクが払拭されれば、長期的な投資対象としてのフィリピンの魅力は今よりもさらに高まっていくのではないかという楽観的な見通しが見えてきました。

※本コラムは、マネックス証券の創業にも参加された、資産デザイン研究所代表取締役の内藤忍氏より寄稿頂いた原稿を基に構成しています。

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投稿更新日:2016年11月04日