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2017.07.14
【コラム】内藤忍氏/ 新興国投資の大きな可能性

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村上世彰さんの「生涯投資家」と言う本を最近読み、感銘を受けました。日本では「村上ファンド」と聞くと、今でも悪いイメージを持っている人が多いと思います。しかし、本書を読むと資本主義のことを真剣に考える、極めて真っ当な投資家であることがよくわかります。私のブログでも紹介させていただきました。

⇒なぜ村上ファンドは悪者で、バフェット氏は英雄なのか?

個人投資家として参考になるのは、投資の具体的な手法です。村上さんの投資判断の3つの基本的な基準が明快に書かれています。それは、「期待値」「IRR(内部収益率)」「リスクの定性的査定」です。

つまり、実際の資産価値に比べ割安に評価され、リスク度合いに対して高い利益が得られるものに投資する徹底的なバリュー投資家ということです。割安に放置されているものを購入し、値上がりすればそこからリターンが実現できるという訳です。

この中でユニークなのは期待値の考え方です。通常の投資家は期待値が高くても、ゼロになる可能性の高い投資にはなかなか手を出しません。例えば、100で投資して、70%の確率で0になり、30%の確率で700まで増えると思われる投資があったら、ゼロになる可能性が高いから敬遠するのが普通です。しかし、村上さんは、期待値を210(0×0.7+700×0.3)と計算し、期待値からは投資可能と判断するのです。

村上さんは「モノ言う株主」として、東京スタイルやニッポン放送、阪神鉄道など多くの株式会社に投資を行ってきたことで知られています。しかし、実は村上さんはアジアの不動産に大きな可能性を見出し、直接間接に大規模な投資を行っているのです。

例えば、ベトナムのホーチミン7区で開発されているマンションプロジェクト、あるいはカンボジアのプノンペン空港周辺での開発など、私も視察で訪れたことが何回かありますが、新興国不動産に投資家する人たちの間では、良く知られている物件ばかりです。

東南アジアの不動産投資の基本戦略も示唆に富んでいます。高級物件の場合、景気の影響を強く受けるため、リーマンショックのような世界経済の停滞があるとダメージを受けることを指摘しています。とは言え、東南アジア諸国のGDPは堅調に上昇し、中所得者層の購買力は世界経済の影響を受けにくく、今後も大きな伸びしろがある。そこで、現地の中所得者層をターゲットにした物件への投資によって、経済成長の恩恵をダイレクトに享受できる投資にシフトさせる戦略を取っているのです。

既にマレーシア、バングラデシュ、カンボジア、ミャンマー、ベトナム、インドネシアに2013年から投資を始めていると書いていますが、今後アジアの不動産投資で有望だと考えている国の1つとしてフィリピンをあげていました。今後、フィリピンでも新しい投資を始める可能性があります。

このように、村上さんが新興国アジアの不動産に大きくコミットしているのは、海外不動産投資家(特に新興国の)にとって心強い事ではないでしょうか。もちろん投資ですから失敗がゼロとは言えません。現に村上さんも中国のマイクロファイナンスやギリシャ国債への投資では大きな損失を出したと正直に告白しています。

リスクがあるから投資しないではなく、リスクと上手に付き合うことで資産を増やしていくことができる。本書から個人投資家が学べることはたくさんあると思います。

※本コラムは、マネックス証券の創業にも参加された、資産デザイン研究所代表取締役の内藤忍氏より寄稿頂いた原稿を基に構成しています。

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投稿更新日:2017年07月14日