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2016.11.25
【コラム】通年7%成長に現実味!新政権移行後も絶好調のフィリピン経済

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フィリピン統計庁(PSA)が今月17日に発表した2016年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(速報値)は、前年同期比7.1%増となりました。事前の市場予想では、5月の大統領選挙に伴う特需(公共投資の前倒し等)の効果が剥落することから、第2四半期(4~6月)の7%成長から6.7%に減速すると見られていましたが、実際には6期連続で成長スピードが加速するという結果になりました。

同時期における他のアジア新興国の成長率を見てみると、中国が6.7%、ベトナムが6.4%、インドネシアが5.0%、マレーシアが4.3%、タイが3.2%となっており、フィリピン経済の力強さが際立っています。フィリピン政府が掲げる2016年の成長率目標(6~7%)を達成するのはほぼ確実で、通年で7%の大台に乗ることも現実味を帯びてきています。

フィリピンの7~9月GDPの詳細を見てみると、GDP全体の約7割を占める民間消費が前年同期比7.3%増と、同国経済のけん引役になっていることが分かります。ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)産業を中心とする雇用の拡大を通じて、国民所得が上昇していることや、在外フィリピン人出稼ぎ労働者(OFW)からの送金額が引き続き増加基調(1~9月は前年同期比4.8%増)にあることが、フィリピン国民の購買力上昇につながっているのです。

英経済誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が発表した、東南アジア諸国連合(ASEAN)の都市化に関するリポートによると、マニラ首都圏で世帯年収が1万ドル(約110万円)以上の中間層は、2015年の400万世帯から30年には760万世帯へとほぼ倍増する見込み。また、世帯年収の中間値は、30年に15年比2.5倍の3万200ドルに拡大する見通しで、ASEAN域内で人口1,000万人を超える「メガシティー」(マニラ、バンコク、ホーチミン、ジャカルタ)の中で最高になると予測されているなど、所得上昇を背景とした旺盛な内需が経済を引っ張る構図は、当面の間続いていきそうです。

また、今後に目を向けると、積極的なインフラ開発にも期待が寄せられます。インフラ整備の遅れは、かねてから指摘されているフィリピン経済のマイナス面ですが、ドゥテルテ大統領はインフラ投資を大幅に加速させていく意向を示しています。17年度予算案でも歳出額を前年度比で11.6%拡大させているなど、来年からは公共事業の拡大も経済発展に大きく寄与していくことになりそうです。

ちなみに、過激な発言ばかりが取り上げられるドゥテルテ大統領ですが、予想以上のしたたかさで、大国を相手に外交面でも大きな成果を上げています。10月に日本と中国を訪問した際には、日本からは総額213億円の円借款(インフラ整備を目的に行われる長期・低金利の貸付)の供与、中国からは総額240億ドル(約2兆6,640億円)の経済協力を獲得。また、11月19日にロシアのプーチン大統領と会談した際には、ロシア側がフィリピンからの輸入を即座に増やし、輸入額を現在の4,600万ドルから25億ドル規模にまで引き上げることで合意しています。

さらに、来日中には三菱自動車とフィリピンの現地生産の拡大に関する覚書を締結するなど、民間からの投資誘致にも積極的に動いており、今後は「官」と「民」の両輪がフル回転していくことで、フィリピン経済の発展はより一層盤石なものになっていくことが期待されます。


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投稿更新日:2016年11月25日