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2026.06.12 NEW
高安定×高利回り!海外不動産の常識を覆すNYマルチファミリー投資の実力

※本コラムは、ニューヨーク提携企業「Blue Pacific Capital」から寄稿していただいた原稿を基に構成しています。
また、コラム寄稿に合わせて、2026年6月25日(木)と同26日(金)に、Blue Pacific Capitalの担当者を講師とするニューヨーク不動産投資セミナーを開催します。この機会に是非ご参加ください。
海外不動産投資家が直面する「二項対立の罠」
海外不動産投資を真剣に検討したことがある人なら、一度は必ずこの壁にぶつかるでしょう。
「利回りが高い市場は、リスクも高い」 「リスクが低い安全な市場は、利回りが低すぎて旨味がない」
これは海外不動産投資における、最大かつ最も根深いジレンマです。
例えば、ドバイのマンションは表面利回り7〜9%と魅力的に見えます。しかし、中東特有の地政学的リスクや、ディルハム(AED)というマイナー通貨のリスクを抱えることになります。
一方で、「安全」とされる市場はどうでしょうか。シンガポールのコンドミニアムは政治的安定性と強いシンガポールドル(SGD)が魅力ですが、利回りは3〜4%が精一杯です。ハワイの不動産は米国の法律に守られ流動性も高いですが、やはり利回りは2〜4%に留まります。
また、テキサスやダラス、アトランタの戸建て(SFR)投資は、近年日本人の間で認知度が上がっているものの、期待実質利回りは4%前後です。
「安全で、かつ高利回りな市場は存在しないのか」
実は存在します。しかも、日本人投資家の間ではまだほとんど知られていません。
それが、ニューヨークのマルチファミリービルへの投資(複数世帯が入居できる一棟ものの集合住宅、日本のアパート経営に相当)です。
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データが証明する高安定×高利回りの「空白地帯」
主要な海外不動産投資先を、横軸に「市場安定性(カントリーリスク・流動性・法制度の成熟度)」、縦軸に「目標利回り」という2つの軸でマッピングしてみると、興味深い事実が浮かび上がります。
高利回りのゾーン(縦軸の上側)には、カンボジア・ドバイ・フィリピンなど、市場安定性が低い(横軸の左側)投資先が集中します。一方、高安定性のゾーン(横軸の右側)には、シンガポール・ハワイ・ロンドンなど、利回りが低い(縦軸の下側)投資先が集中します。そして、右上の「高安定×高利回り」のゾーンは、ほぼ空白です。ただ一つの例外を除いて…。
その例外こそが、ニューヨークのマルチファミリービルです。安定した先進国市場でありながら、ネット利回り(キャップレート)6%を目指せる数少ない投資先として、このマッピングの右上に単独で位置しています。
なぜニューヨークだけがこのポジションを占めることができるのか。その理由を、最新のデータとともに詳しく解説していきたいと思います。
【1】「ネット利回り6%」は本当に達成できるのか
全米マルチファミリーの最新データ
まず全米の状況を確認しておきましょう。商業不動産データプラットフォームのYardi Matrixによれば、2025〜2026年初頭における全米主要30市場のマルチファミリー平均キャップレートは、約5.04〜5.1%で推移しています。これは2021年の歴史的低水準である4.1%から上昇し、過去25年間で最長となる「プラトー(横ばい)」が続いている状態です。
また、世界最大級の事業用不動産サービス会社CBREのレポートでは、マルチファミリーの平均ゴーイングキャップレートが約4.75%、エグジットキャップレートが約4.96%で、21ベーシスポイントのスプレッドが存在すると指摘されています。これは、投資家がある程度の資産価値上昇を織り込んで購入していることを意味します。
ニューヨーク特有の「高キャップレート」のメカニズム
全米平均が5%前後の中で、なぜニューヨークの一部物件でキャップレート6%が達成できるのか。その理由は、2022〜2024年のFRBによる急激な利上げが生み出した特殊な市況にあります。
FRBが1989年以来最速のペースで利上げを行った結果、商業不動産全体には大きな調整が入りました。特に、金利上昇に敏感なマルチファミリーセクターでは、物件価格が2019〜2021年のピーク比で大幅に下落しています。
しかし、ここで重要なのは「価格は下がったが、賃料は下がらなかった」という事実です。それどころか、ニューヨークの賃料はこの間も上昇を続けました。
ニューヨーク最大級の不動産会社コーコランのデータによれば、2025年9月時点でマンハッタンの賃料中央値は月額4,972ドルに達し、空室率は4年ぶりの低水準を記録。ブルックリンでも賃料中央値は月額4,100ドル前後で推移しており、前年比でも安定した伸びを示しています。
「価格が下がり、賃料が上がった」──この組み合わせがキャップレートを押し上げ、バリューアッド物件や安定化物件の一部で6〜6.5%のキャップレートを実現させているのです。
米不動産調査会社のMMCG Investが公表したMid-2025 New York Multifamily Market Reportによれば、マンハッタンのトロフィー物件(高級新築)ではキャップレートは4.5〜5%に留まっている一方、築古物件で家賃規制がかかっている不動産では6〜6.5%のキャップレートで取引されているケースがあります。つまり、適切な物件選定を行えば、先進国市場であるニューヨークでネット6%というキャップレートは、現実的な数字ということです。
市場サイクルのタイミング ── 「今が買い場」の根拠
米商業不動産メディアCRE Dailyの分析によれば、マルチファミリーのキャップレートは7四半期連続で5.7%付近で横ばいを継続。これは、過去25年間で最長のプラトーです。しかし、複数のアナリストはこの状態が近く変化すると予測しています。
その根拠が、米大手金融サービス会社First AmericanのPotential Cap Rate(PCR)モデルです。これは、取引量、負債フロー、テナント需要などの基礎となる市場のファンダメンタルズに基づき、商業用不動産の上限利回りを推定するモデルで、投資家が現在の実際の利回りが過去の基準と比較して過大評価なのか過小評価なのかを考えるうえで重宝されています。
このモデルが示す「市場のファンダメンタルズが正当化するキャップレート」は5.1%であり、現在の観測値との間には60ベーシスポイントのギャップが存在します。これは、現在のキャップレートが「適正水準より高め(=物件価格が適正より安め)」であることを示しているのです。
今後、FRBの利下げで信用環境が改善されれば、キャップレートは徐々に低下する(=物件価格が上昇する)と予測されます。今の価格水準で購入した投資家は、この「価格上昇」の恩恵を受ける立場となります。
なお、米商業不動産メディアのCommercial Observerが2026年2月に公開した分析では、2025年第4四半期にニューヨーク市で286件のマルチファミリー取引、6,600ユニット以上の成約が記録され、前四半期比15%増、前年比35%増のユニット数を記録したと報告しています。「ベロシティ(取引の勢い)は常に価格に先行する」という格言通り、取引量の回復は価格上昇の先行指標だということは忘れないでおきたいところです。
【2】なぜニューヨークは「安定している」のか ── 5つの根拠
根拠①:構造的に低い空室率
ニューヨーク市の賃貸空室率は、他の主要都市と比べて異次元に低い水準にあります。ニューヨーク市住宅局(HPD)が発表した2023年住宅空室調査によれば、ニューヨーク市全体の賃貸空室率はわずか1.4%。これは50年以上の調査史上、最低の数字です。健全な住宅市場の空室率は5〜8%とされているので、ニューヨークは「健全」どころか深刻な住宅不足状態にあると言えるでしょう。
賃料2,400ドル以下のユニットに至っては、空室率は1%以下。全市の賃貸可能な空室は2,357,000ユニット中わずか約33,000ユニットという状況です。2025年中盤のデータでも改善は見られず、空室率は2.8〜3.0%で推移しており、これは全米平均の約8%と比べて圧倒的に低い水準となっています。
なぜこれほど空室率が低いのか。答えは構造的な住宅供給不足にあります。ニューヨーク市では2010〜2022年の間に雇用が23%増加した一方、住宅ストックの増加は9%に留まりました。その結果、住宅対雇用比率は2010年の90%から2022年には81%まで低下しているのです。
さらに追い打ちをかけるように、2016年に終了した421-a税制優遇(賃貸住宅の新規建設を促進する補助制度)の廃止により、新規供給が著しく鈍化。後継として485-x制度が創設されたものの、不足を補うには程遠い状況にあります。
2025年の供給増は全賃貸ストックの1%未満にとどまったと見られ、需給の逼迫は当面続く見通しです。賃貸住宅の需要が供給を大幅に上回る状態が構造的に続く市場では、空室リスクは最小化され、賃料は上昇圧力を受け続けることになります。マルチファミリービルのオーナーにとって、これ以上の環境はないのではないでしょうか。
根拠②:賃料の継続的上昇トレンド
Chase銀行のレポートによれば、2025年におけるニューヨーク市のマルチファミリー平均賃料は前年比1.7%上昇しています。一見控えめな数字に見えますが、これは政府の家賃規制によってその年の値上げ幅に制限がかけられる物件(1974年以前に完成した築古物件など)も含んだものであり、フリーマーケット物件(政府の家賃規制の対象とならない一般的な物件)に限れば上昇率はさらに高いと考えられます。
また、米不動産テック企業Skybrizのデータでは、2025年第1四半期のニューヨーク市全体の賃料中央値は月額3,397ドル(前年比+5.6%)、マンハッタンは月額4,350ドル(前年比+4.8%)を記録。同データでは、大家の78%が今後平均6.21%の賃料引き上げを計画していると回答しており、これは全国平均の約2倍の上昇率となっています。
根拠③:世界最高水準の流動性
ニューヨークの商業不動産市場は、世界最大規模の取引量を誇ります。そのため、ニューヨークには適切な価格設定をすれば数ヶ月以内に売却できる高い流動性があり、「物件を売りたい時にちゃんと買い手がいる」という環境が広がっているのです。
Yardi Matrixのデータでは、2025年1~9月の間に主要30市場で合計929件、総額410億ドル規模のマルチファミリー取引が成立しており、機関投資家、プライベート投資家、REITなど多様な買い手が常に市場に存在しています。
根拠④:世界の基軸通貨「USD」での収益
米ドル(USD)は、有事の際には安全資産として買われる世界の基軸通貨です。円安基調が続く現在の日本では、米ドル建ての収益を生み出す資産を保有することは、通貨分散の観点からも合理的な判断と言えるでしょう。
その点、ニューヨーク不動産の投資収益は、全て米ドル(USD)建てで受け取れます。「なに当たり前のことを言ってるんだ」と思われるでしょうが、この単純な事実が持つ意味は非常に大きいのです。
例えば、ドバイの通貨ディルハム(AED)はドルペッグ制をとっているため、ドバイ不動産への投資を疑似的な米ドル建て資産への投資と考えている方は多いようです。しかし、政治情勢次第でペッグ自体が解除されるリスクはゼロではありません。
また、カンボジアでは自国通貨リエル(KHR)ではなく、米ドルが決済通貨の主流となっており、不動産取引においても米ドル決済が基本です。しかし、近年のカンボジア政府は強制的にリエルを使わせるような政策に徐々にシフトしており、将来的に不動産取引にも適用される可能性は頭の中に入れておく必要があります。
このように世の中には米ドル建て投資的なものは多くありますが、結局のところ本当の意味での米ドル建て投資は、アメリカ国内にある資産への投資しかないのです。
根拠⑤:200年以上の歴史を持つ法制度と所有権の明確さ
米国の不動産法は200年以上の歴史を持ち、外国人投資家の所有権が法律で明確に保護されています。また、登記制度、権原保険(Title Insurance)、エスクロー制度など、投資家を保護する世界最高峰の仕組みも整備されています。ニューヨークで物件を購入すれば、その資産や権利はこうした米国の法律・制度によって完全に守られることになります。
【3】他の投資先との比較 ── なぜニューヨークが「最も合理的な選択」なのか
ドバイとの比較
ドバイは「表面利回り7〜9%」という数字ばかりが一人歩きしていますが、実態はより複雑です。
第一に、供給過剰リスクがあります。ドバイでは2027年にかけて大量の新規物件が竣工予定であり、供給増による賃料低下・空室率上昇が懸念されています。第二に、地政学的リスクです。中東情勢は常に不安定要素を抱えており、実際に現在のイランとの紛争ではドバイの市街地にも攻撃が及んでいます。第三に、流動性です。ドバイの不動産市場はニューヨークに比べて流動性が乏しく、買い手が限定される面があります。
また、実はニューヨークのネット6%という数字は、ドバイの7〜9%「表面利回り」と実質的に大差ない、あるいは上回る可能性があります。なぜなら、表面利回りから管理費・空室損失・修繕費などを差し引いた「実質利回り」ベースで比較すると、ドバイは見た目の数字より大幅に低下するからです。
シンガポールとの比較
フォーランドリアルティのお客様の中には、シンガポールのコンドミニアムをすでに保有している人もいるでしょう。シンガポールのコンドの利回りは、3〜4%が一般的だと思います。これらはシンガポールドル建てであり、資産の安全性という観点では優れていますが、「もう少し利回りを上げたい、でも新興国には行きたくない」というニーズには応えられていないと言えるでしょう。
ニューヨークのネット6%という利回りは、シンガポール投資と比べて1.5〜2倍以上の利回りを米ドルで得られることを意味します。すでにASEANでの投資経験がある投資家にとって、ニューヨークは「安全性を保ちながら利回りを上げる」という完璧な次の一手になり得るのではないでしょうか。
【4】「個人では買えない」を解決する共同投資というスキーム
「ニューヨークのアパートビルは億単位の話で、自分には関係ない」
そう思う方は多いと思います。確かに、マンハッタンのマルチファミリービルは3億〜10億円規模の物件が中心です。単独で購入できる資産規模の方は、かなり限られてくるでしょう。
しかし共同投資(共有持分・Co-ownership) というスキームを活用することで、現実的な投資額からニューヨークのマルチファミリービルのオーナーになることができます。
これは「ファンド」とは異なります。ファンドは運用会社が投資判断を行い、投資家はその結果を受け取るだけですが、共同投資では複数の投資家が共同で物件の持分を直接保有し、それぞれが所有者としての権利を持ちます。
重要なのは所有の「質」です。コンドの1室を「所有」するのではなく、マンハッタンあるいはブルックリンに建つアパートビル1棟の「共同オーナー」になる。それが共同投資が提供する価値です。
【5】なぜ「今」動くべきなのか ── 機会の窓は開いている
利下げサイクルと物件価格の関係
FRBの利下げが進むにつれ、不動産市場の資金調達コストが下がり、キャップレートは低下する傾向があります。キャップレートが低下するということは、同じNOI(純営業利益)に対してより高い価格がつく、すなわち物件価格が上昇するということです。
現在のキャップレートは、過去25年間で最も高い水準付近にあります。これは言い換えれば、物件価格が過去25年で最も「買いやすい」水準にあるということです。
First AmericanのPCRモデルが示す「適正キャップレート5.1%」と、現在の観測値の60ベーシスポイントのギャップが縮小するだけで、物件価値は大きく上昇することになります。
CRE Dailyは「2026年はアーリームーバー(先に動いた人)が恩恵を受ける」と明言しています。取引量の回復が価格上昇に先行するという歴史的パターンに従えば、今が購入の絶好のタイミングと言えるでしょう。
円安とドル建て資産の優位性
1ドル=150〜160円台が続く現在の為替環境では、ドル建て収益の円換算額は10年前と比べて大幅に増加しています。仮にドル建てでネット6%の利回りを得た場合、円安が継続すれば円ベースのリターンはさらに上乗せされることになります。
もちろん、「円高になったら損するのでは」という懸念もあるでしょう。しかし、今のような歴史的に高いキャップレート(=物件価格に割安感)の環境では、物件価格の上昇が為替変動を吸収する可能性もあります。長期保有の視点で見れば、ドル建て実物資産を持つことは、日本円への一点集中リスクを分散するうえで合理的な判断となるでしょう。
機関投資家が「今」買い始めている
CRE Dailyのデータでは、2023年にマルチファミリー取引全体の3%に過ぎなかったREITの市場シェアが、2025年には6%に倍増しています。また、Commercial Observerは、世界の機関投資家・外国人キャッシュバイヤーが、ニューヨークの各ボロー(行政区)でアクティブに物件を取得し始めていると報告しています。
機関投資家は常にリテール投資家より先に動く。彼らが今ニューヨークのマルチファミリーを買い始めているという事実は、市場サイクルの転換点が近いことを示すシグナルと考えられます。
まとめ
冒頭で提示した「二項対立の罠」に戻りましょう。
・ドバイ・新興国:利回りは高いが、安定性・流動性・通貨・法制度のリスクが高い
・シンガポール・ハワイ・ロンドンなど:安定しているが、利回りが低い(3〜4%)
・ニューヨークのマルチファミリービル:先進国最高水準の安定性と、ネット利回り6%を両立する唯一の市場
その背景にあるのは、構造的な住宅不足(空室率1.4%という50年来の低水準)、継続的な賃料上昇(前年比4〜6%)、FRBの利上げが生み出した物件価格の調整、そして200年の歴史を持つ法制度に守られた所有権の安全性です。
さらに共同投資というスキームにより、これまで「億単位の資金が必要」と思われていたニューヨークのアパートビル投資が、より現実的な投資額で参加できるようになっているのも追い風と言えるでしょう。
「安全、かつ高利回りな市場」という海外不動産投資家の永年の悩みに、ニューヨークのマルチファミリービルはひとつの明確な答えを示しています。
※本記事に記載されているデータは、CBRE, Yardi Matrix, Marcus, Millichap, JPMorgan Chase, Commercial Observer, NYC Housing Preservation and Development等の公開資料および現地取引実績に基づいています。利回りは過去のデータや現在の市場状況を参考にしたものであり、将来の収益を保証するものではありません。投資判断は必ず専門家にご相談のうえ、ご自身の責任において行ってください。
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投稿更新日:2026年06月12日











