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2017.10.23
【コラム】内藤忍氏/ 日本の財政赤字と外貨投資の重要性

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日銀の異次元緩和金融政策の出口戦略が、話題になることが増えてきました。出口戦略とは、金融政策を正常化するためにどのような道筋を描いていくかというこれからの日銀の対応策です。

日銀は2%の物価上昇を実現するために様々な金融政策を講じています。その中で長期金利をゼロ%レベルに抑えるために行っているのが、国債の市場からの買い入れです。現在も毎年60兆円のペースで購入を続けており、既に発行している国債の4割以上を日銀が保有しているという状態になっています。

もし、政策目標である2%のインフレが本当に実現すれば、金融緩和政策を転換することになります。短期金利もマイナス金利から徐々に引き上げていく方向になっていくことでしょう。

そんな政策転換に市場が反応し、市場金利が上昇する事態になれば、日銀が保有している国債の価格が下落(金利上昇は価格の下落につながります)して、評価損が発生することになります。つまり、物価上昇率2%という政策目標が達成されると、日銀自体のバランスシートが劣化し経営状態が悪化するというジレンマがあるのです。

国債を保有したまま金利上昇が発生し、保有している国債の評価損が膨らめば、政府の資本注入などの援助が必要になり、政府が中央銀行に介入するきっかけを与えることになります。中央銀行は政府から独立して政策運営されるべきですから、このような事態は避けなければなりません。

日銀が市場での国債購入を進め、保有する国債のシェアが高まるにつれて、国債の流動性は低下しています。買い手は日銀だけになってきました。しかし購入額を急に減らしたり、売却するようなことになれば価格の暴落、金利急上昇の原因になりかねませんから簡単にはできません。

このように日銀の出口戦略は見えなくなってきています。個人投資家として、今から考えておくべき最悪のシナリオは、次のような事態です。
1.2%を超えるインフレ
2.国債暴落による長期金利の上昇
3.通貨に対する信認低下による円安

問題が顕在化する前に、淡々と対応策を進めることが大切だと思っています。

インフレに対応するには、預金よりも不動産や株式のようなインフレに強い資産を保有することです。預金を保有したままインフレになれば実質的な預金の価値は下落します。インフレに強い資産にシフトさせておくこと。そして可能であれば、借入をしておくことも有効だと言えます。借入をしてインフレになれば実質的な負担が減少していくことになるからです。

長期金利の上昇に対しては、期間の長い債券を保有しないことです。金利上昇によって期間が長ければ長いほど下落率は大きくなるからです。また借入を行う場合も、長期金利の連動する変動金利借入ではなく、短期金利に連動する変動金利借入や固定金利での借り入れをしておく方が安心といえるでしょう。

円安に対する対策としては外貨資産の保有しかありません。金融資産でも不動産でも外貨資産を一定比率保有すれば、その部分に関しては円安で資産を減らしてしまうリスクが無くなります。

外貨資産構築で気を付けるべきなのは為替手数料です。外貨預金のように購入時にドル円で1円取られる銀行もありますが、FXを使えば0.3銭程度で外貨投資をすることが可能です。また投資信託を使って外貨投資すれば、自分で為替取引をしなくてもファンド内で外貨調達をすることになりますからこちらの為替手数料もかなり低コストにできます。

日本の財政問題は国内の問題ですが、グローバルな資産運用に大きな影響を与えます。問題が顕在化する前に、先手を打っておくことが、慌てないために重要です。

※本コラムは、マネックス証券の創業にも参加された、資産デザイン研究所代表取締役の内藤忍氏より寄稿頂いた原稿を基に構成しています。


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投稿更新日:2017年10月23日