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2018.02.06
【コラム】内藤忍氏/ 資産運用のトラブルに巻き込まれないために

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女性専用のシェアハウスを投資家に提供してきたスマートデイズの「かぼちゃの馬車」が、サブリース契約の家賃支払いを停止したと言うことで、オーナーの混乱が続いています。被害者の会も出来ており、融資を推進した銀行も含めて、今後社会問題化していく可能性が出てきました。

不動産を販売した会社のずさんな運営管理や銀行の審査プロセスの甘さが指摘されていますが、ここでは間違えてはいけないのは、すべてのシェアハウスやサブリース契約が悪いわけではないということです。

実際、この会社が販売した物件の中でも、空室がほとんどない優良物件も存在すると聞いています。単身で上京してきたような人に、リーズナブルな価格で利便性の高い場所に賃貸物件を提供し、周囲の人とコミュニケーションできる施設を提供する。そんなシェアハウスのコンセプト自体は間違っていないのです。

また、サブリース契約もオーナーが家賃変動のリスクを肩代わりしてもらう代わりに家賃の中から一定のフィーを支払うというのが本来の姿であり、保証している家賃がリーズナブルな水準であれば、双方にとってメリットのある契約です。

今回の問題の本質は、シェアハウスの賃貸ニーズのない場所に、大量の物件を無理矢理供給し、法外な賃料で貸し出そうとしたことにあります。ニーズが無く、家賃が高ければ、借り手は見つかりません。その結果、入居率は40%前後に低迷していたと推定されており、これではビジネスとして成り立つはずありません。

賃貸管理の赤字を不動産販売の利益で補填していたようですが、自転車操業は不動産販売が止まってしまえば、継続不可能になります。

また、仮想通貨業界でもトラブルが発生しています。1月下旬に大手仮想通貨取引所運営会社のコインチェック社が外部からハッキングされ、580億円相当の仮想通貨ネムを不正に引き出されるという事件が発生しました。その後、コインチェック社の口座からの出金が凍結され、投資家の資金が動かせない状態になっています。

仮想通貨は保管に関してリスク管理をしっかり行う必要があり、今回の件は取引所がそのリスク管理を充分行っていなかったことが原因です。仮想通貨自体に問題があるのではなく、仮想通貨のリスクを理解していない、あるいは理解していたにも関わらずきちんとした対策を講じていなかった取引所運営会社に問題があるのです。

仮想通貨の資産管理は他の金融商品以上に自己責任が求められます。ネットから遮断された環境で仮想通貨を保管することで、ハッキングのリスクを避けることができるようになります。ただし、そのためには自分自身で知識を持って、手間とコストをかける必要が出てきます。

不動産でも金融資産でも、新しい投資対象が出てくると、その黎明期には取引会社が乱立し、その中には管理運営がずさんな取引してはいけない会社も紛れ込んでいます。

残念ながらその見極めは簡単ではありません。しかし、かぼちゃの馬車の場合、1年くらい前から不動産業界ではその割高な価格と無理な賃貸価格設定を問題視する声が出ていました。信頼できる不動産の専門家に相談すれば、最悪の事態は防止できた可能性が高いと思います。

また仮想通貨の取引所は、通貨の保管場所を複数の場所に分散し、ネット上には必要以上の資産を保管しないというリスク管理の原則を守っていれば、被害に遭遇したとしてもその金額を最小化することができたはずです。

資産運用の世界では、自己責任がこれからますます問われるようになります。それぞれの分野の専門家とのネットワークを持ち、不審なことがあれば相談できる体制を作っておくこと。そして、常にアセットアロケーションの観点から、できる限り1つの場所に資産を集中させないようにし、分散を心がけるようにしましょう。

※本コラムは、マネックス証券の創業にも参加された、資産デザイン研究所代表取締役の内藤忍氏より寄稿頂いた原稿を基に構成しています。

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投稿更新日:2018年02月06日