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2018.02.06
【コラム】内藤忍氏/ アメリカの利上げと世界経済への影響

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欧米先進国の金利上昇が続いています。アメリカの長期金利の指標となる表面利率2.250%の10年物国債利回りは、3%近くまで上昇しています。これは、2014年以来約4年ぶりの高いレベルです。

アメリカが金融緩和から金利上昇に金融政策を転換し、欧州が追随するとの思惑がマーケットに広がったことが金利上昇をもたらしました。欧州中央銀行(ECB)の資産購入終了を支持する発言をオランダ中銀のクノット総裁が行ったことで、ECBのバランスシート拡大による金融緩和の終了が近いこともマーケットは意識し始めています。

その結果、欧州の債券相場もアメリカ同様に下落(金利は上昇)し、1月29日にドイツの5年債利回りは2015年以来3年ぶりにプラスに転じました。また、ドイツの10年債利回りも2月2日に0.76%まで上昇しています。このような欧米の金利上昇は、世界の資産運用マーケットにどのように影響してくるのでしょうか?

まず、日本の金利にどのように影響してくるのかが気になります。金利の動きに神経質になるマーケット参加者が増えてきており、日銀の金融政策の微妙な変化に過剰に反応するケースも増えています。日銀の黒田総裁は今までの金融政策を継続することを再三表明していますが、市場はその真意がどこにあるかを疑心暗鬼になってきている状態です。

ただし、現時点で日銀は長期金利上昇を容認するとは考えにくく、長期金利が急激に上昇すれば日銀が再び無制限に市場から買い上げるオペレーションを行い、金利上昇をけん制していきます。金利上昇には限界があるということです。短期金利はマイナス金利を維持し、国債の購入を継続して長期金利(10年)を0.1%を超えないレベルに維持すると思われます。

海外に目を転じると、前述のとおり金利は先進国で上昇傾向にあり、債券価格は下落していくことになりますから、債券型の投資には逆風のマーケット環境といえるでしょう。欧米の外債や外国債券を組み入れた投資信託の購入には慎重になった方が良いと思います。

先進国の金利環境の変化を受けた新興国マーケットはどうなるでしょうか。従来、新興国のマーケットは、アメリカをはじめとする先進国の金融政策に大きく左右されてきました。先進国で利上げがあると、新興国の高金利のメリットの相対的優位性が薄れ、資金が新興国から先進国にシフトする。その結果として、新興国通貨の下落や新興国の株価・不動産価格の低迷という問題が顕在化することが多かったといえます。

しかし、今回のアメリカの利上げと欧州の金融政策の転換は、新興国のマーケットにはあまり影響が出ていないようです。元々、アメリカの利上げもそのペースが思ったよりも緩慢であることもありますが、何より新興国経済が先進国に振り回される今までの状況と変わってきたのが大きいと思います。先進国がくしゃみをすると、新興国が風邪をひくといった状況ではなくなってきているのです。

フィリピンやカンボジアのようなアジアの新興国の経済成長率は7%レベルをキープし、これから数年もこのペースが続くと予想されます。自国経済の規模が相対的に大きくなり、外国資金に依存する構造から抜け出しつつある新興国では、欧米の金融政策の転換による影響は今までに比べ相対的に小さなものになってきているのです。
むしろ、先進国の成長率が低下し投資機会が見つかりにくくなっている現状では、新興国の成長に対する価値が高まり、運用難の資金が流入する構図さえ見えてくるのです。

先進国と新興国の主従関係が無くなり、新興国の成長に対する魅力が高まれば金融環境の変化に関係なく新興国の不動産をはじめとするアセットに資金が集まってきます。今回のマーケットの動きは、グローバルな資産運用の環境が変わってきていることを感じます。従来のステレオタイプな経済分析では説明できない新しい動きを常に考えておく必要があるのです。

※本コラムは、マネックス証券の創業にも参加された、資産デザイン研究所代表取締役の内藤忍氏より寄稿頂いた原稿を基に構成しています。

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投稿更新日:2018年02月06日