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2016.10.07
【コラム】内藤忍氏/ 海外不動産を国内融資で購入する方法

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海外不動産はキャッシュを使って投資するものというのが今までの常識でしたが、それが非常識になりつつあります。日銀のマイナス金利政策によって運用難が続く金融機関。新しいマーケットの拡大を目指し、海外不動産への融資を始める動きが出てきているからです。

日本政策金融公庫のような公的金融機関では、従来から海外への事業展開資金という資金使用目的で海外不動産の購入資金に融資をするケースがありました。飽くまで、投資ではなく事業融資という位置づけで、国内での不動産事業を行っていることが条件になります。事業の実績が必要で、国内の不動産融資のような、信用力があるだけでは借りられるものではありません。借入にあたっては事業計画書などの提出が求められ、海外事業としてのしっかりとした計画があるかどうかがチェックされます。

したがって、国内不動産の投資経験が無い人には利用できない融資であり、無担保借入の場合、1回の融資額も2000万円程度までに制限されているようです。また、融資条件は店舗や担当者によって異なり、融資条件も不定期に変更されているらしく、借りた人やタイミングによって、その条件が変わることが珍しくありません。

私もベトナム不動産の購入資金の融資を事業計画書と共に申込みしたのですが、審査に1ヵ月以上かかり、国内不動産投資の借入が既にあったことから、追加の国内不動産担保提供を求められました。最終的には2000万円の金利1%台の借入を受けることができそうですが、国内の追加担保の評価などに時間がかかり、先に購入資金の一部を自分で支払いしてから、バックファイナンスすることになってしまいました。

日本政策金融公庫以外にも、地方銀行や一部の特色ある銀行が海外不動産に対する融資を検討していると言われています。ただし、すべてのローンは円建てが原則になっていて、借入と投資の為替リスクが発生します。円で借入して外貨で運用した場合、円高になれば外貨資産の価値が相対的に下落することになり、円の借入の方が大きくなってしまうからです。

フリーローンのような使徒制限自由な円ローンを取り扱っている銀行もありますが、金利は低くても5%程度あり、海外不動産投資に使うには金利が高すぎるという問題がありました。国内の不動産を担保に海外不動産の購入資金を調達するという方法であれば金融機関もリスクを軽減させることができ、低金利での貸し付けであっても融資に積極的になってくると思います。

貸出難になっている日本の金融機関にとっては、海外不動産投資資金の融資は数少ない有望な融資対象だと思います。海外不動産は国内の物件に比べ収益性の評価が難しく、物件を実際に見に行くこともできません。しかし、国内不動産を担保に入れることで、不動産の収益性の不透明感を担保価値によって代替することができます。

海外不動産投資を始める人の多くの人は、既に国内の不動産投資を始めている不動産投資経験者です。人口減少による国内市場の将来性にリスクを感じ、投資対象を分散させて、外貨資産を保有したいということで海外不動産へ投資対象を広げるというのが典型的な動機になっています。

このような国内の不動産大家さんを取り込み、海外不動産の投資資金を融資する動きが広がってくれば、海外不動産も少額で投資することが可能になり、マーケットが拡大することが期待できます。国内と海外に分散させて資産保有することは融資する金融機関にとっても、借りる側の投資家にとってもメリットがあります。新しい動きがさらに加速することに期待したいと思います。

※本コラムは、マネックス証券の創業にも参加された、資産デザイン研究所代表取締役の内藤忍氏より寄稿頂いた原稿を基に構成しています。

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投稿更新日:2016年10月07日