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2016.09.06
【コラム】不透明な外部環境も関係なし!好調さ際立つフィリピン経済

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フィリピン統計庁(PSA)が発表した2016年第2四半期(4~6月)の実質国内総生産(GDP)成長率は、前年同期比で7.0%の増加と四半期ベースでは3年ぶりの高水準を記録。GDPの7割を占める個人消費が7.3%と高い伸びを示すなど、引き続き堅調な内需が経済のけん引役となっています。

同時期のGDP成長率を他国と比べてみると、ベトナムが5.6%、インドネシアが5.2%、マレーシアが4.0%、タイが3.5%、シンガポールが2.1%などとなっており、東南アジア経済の中でもフィリピンの好調ぶりが際立っていることが分かります。

アメリカの利上げ観測や中国経済の減速など、外部環境に不透明要因が多い中でも好調を維持するフィリピン経済ですが、それを支えるのがフィリピン人海外出稼ぎ労働者(OFW)による本国送金と、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)産業です。

豊富な英語人口を抱えるフィリピンは、海外への出稼ぎ労働者が多いことで知られ、1億人を超える人口の約1割が海外で働いていると言われています。2000年に60億5000万ドル(約6200億円)だったOFWからの本国送金額は、15年には257億6700万ドル(約2兆6500億円)と、GDPのおよそ1割を占める規模にまで拡大。2016年の送金額も、3月を除く全ての月で前年を上回っています。
手渡しなども含めれば、その規模は倍増するとも言われており、安定した送金フローが個人消費の下支え要因となっているのです。

また、かつては「産業がない」と言われてきたフィリピンですが、近年ではその状況も少しずつ変わり始めています。その代表例が、企業のバックオフィス業務などを受託するBPO産業で、非ネイティブ圏では世界トップクラスとも言われる英語力を持つ人材を、比較的低コストに雇えるフィリピンには、欧米の大手BPO企業が進出したり、金融機関やIT企業などがコールセンターを設置したりするなど、世界的なBPO拠点として台頭してきています。

さらに、最近ではソフトウェア開発、エンジニアリング、医療、会計、法務など、より高度で専門的な知識が必要となる業務を受託する「ナレッジ・プロセス・アウトソーシング(KPO)」の分野でも存在感が増してきているなど、従来よりも付加価値の高い産業が生まれてきていることが、フィリピン国民の所得拡大に大きく貢献しています。

所得水準の向上は新たな投資を呼び寄せることにも繋がっており、直近では三越伊勢丹ホールディングスが、マニラ近郊に日系初となる百貨店を開業する計画を明らかにするなど、日本の小売り・外食チェーンによるフィリピン進出も目立ってきています。

アキノ前政権下の6年間では、財政の健全化を通じて、フィリピンが海外からの投資を獲得するための土台作りに成功し、東南アジア屈指の高成長を記録。そして、今年6月末に新大統領に就任したロドリゴ・ドゥテルテ氏は、その流れをさらに力強いものとするため、アキノ前政権の良い点を引き継ぐと共に、外資規制の見直しによる外資誘致の強化やインフラ整備の加速、貧富の格差の是正などを重点政策として掲げています。

国際通貨基金(IMF)の世界経済見通し(2016年4月版)では、予測が発表されている2021年まで、フィリピンは毎年6%以上の高成長を遂げると予想しています。強気な言動と確かな実行力で支持を集めるドゥテルテ新大統領が、6年間の任期の中でどんな未来を見せてくれるのか…フィリピン経済からは今後もますます目が離せません。


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投稿更新日:2016年09月06日